インプラント治療は「保険が適用」される?その疑問にお答えします!

インプラント治療はブリッジや入れ歯に比べて見た目が良く、残っている健康な歯に悪影響を与えないというメリットがあります。

その一方、自由診療で治療費が高額になるという理由で、治療に踏み切れない方が多いのも事実です。

 

確かに、インプラント治療は自由診療ではありますが、一定の要件を満たすことで保険が適用される場合があります。

そこで今回は、インプラント治療が保険適用になる要件について詳しく解説していきます。

また、治療費を抑えるために活用できる制度についてもご紹介するので、ぜひ参考になさってください。

目次

そもそも保険診療と自由診療の違いとは

保険診療の話の前に、まずは保険診療と自由診療の違いを解説します。

 

【保険診療】

保険診療とは国が定めた条件を満たして診療を行った場合に、窓口での患者さんの医療費の負担が3割になるという制度です。

 

<メリット>

低価格で治療を受けることができる。

 

<デメリット>

治療法の選択肢が少ない。

機能性や審美性の面で自由診療より劣る。

 

【自由診療】

自由診療とは患者さんと医療機関の間で契約を結んで行う診療のことです。

 

<メリット>

治療の選択肢が広がる。

機能性や審美性に優れている。

 

<デメリット>

治療費が高額になりやすい。

インプラント治療はほとんど自由診療。ただし一部で保険適用も

一般的に、インプラント治療は自由診療とみなされるため、患者さんは窓口で全額を負担することがほとんどです。

しかし、2012年4月に保険制度の改定があり、一定の条件を満たす方には保険が適用されるようになりました。

これまで治療費がネックで諦めていた方や、これから治療を検討している方に、ぜひ参考にしてほしい情報です。

インプラント治療が保険適用されるための要件とは

インプラント治療を保険で受ける場合、患者さんと医療機関が、それぞれ一定の条件を満たしている必要があります。

 

【医療機関側の条件】

 

(1) 歯科又は歯科口腔外科を標榜している保険医療機関であること。

(2) 当該診療科に係る5年以上の経験及び当該療養に係る3年以上の経験を有する常勤の歯科医師が2名以上配置されていること。

(3) 病院であること。

(4) 当直体制が整備されていること。

(5) 医療機器保守管理及び医薬品に係る安全確保のための体制が整備されていること。

(6) 当該療養に必要な検査機器を設置していること。

厚生労働省ホームページより引用

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/h24_02-07-58.pdf

 

このような条件を満たす医療機関となると、個人経営の歯科ではなく、総合病院や大学病院の歯科・歯科口腔外科がほとんどです。

ただしこのような設備が整った医療機関であっても、その医療機関が国に届け出ていなければその医療機関での診療は保険適用にはなりません。

そのため、受診前に医療機関に問い合わせをしておくと良いでしょう。

 

【患者さん側の条件】

① 特定の病気やケガで、あごの骨や歯茎の骨が大きく失われた場合

② 生まれつきの病気で、歯を支える骨や粘膜がうまく作られない場合

③ 生まれつきの病気で、連続した3分の1の部分の歯がない状態の場合

 

それぞれのケースについて解説します。

① 特定の病気やケガで、あごや歯茎の骨が大きく失われているか、その状態から骨移植を行った場合

特定の病気やケガによって、あごや歯茎の骨が失われてしまうことがあります。

そのような方がインプラントをする場合、腰や足から骨を移植し、元の状態に近づける処置が必要です。

この際、次に紹介する条件を満たした場合に限り、インプラント治療に保険が適用されます。

 

・連続した3分の1以上の上あごの骨が失われている

・上あごの骨がないために口の中と上顎洞(頬にある副鼻腔)や鼻の穴が繋がっている

・連続した3分の1以上の下の歯茎の骨が失われている

・連続した3分の1以上の下のあごの骨が失われている

 

ただし、このような場合でも、あごや歯茎の骨が失われた原因によっては保険適用にならないことがあります。

例えば、腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気では保険適用になりますが、歯周病や加齢によって骨が弱くなった場合には保険適用になりません。

そのため、保険適用になるかどうか、主治医によく確認してから治療を受けましょう。

② 生まれつきの病気で、歯を支える骨や粘膜がうまく作られない場合

生まれつきの病気により、歯を支える骨や粘膜が作られない人がいます。

このような場合は、保険診療によってインプラント治療を受けることができます。

③ 生まれつきの病気で、連続した3分の1の部分の歯がない状態の場合

②と同様に生まれつきの病気で歯そのものが作られない人もいます。

1~2本歯が欠損している場合では保険適用にはなりませんが、連続した3分の1以上の部位で歯がない場合には、保険適用でインプラント治療を受けることができます、

インプラント治療の費用を抑えるためには医療費控除の有効活用を

こうして見ると、保険適用でインプラント治療を受けるのはなかなかハードルが高いことが分かります。

しかし、インプラント治療は医療費控除の対象になっています。

医療費控除とは1年間に支払った医療費が一定金額を超えた場合に受けられる控除のことで、条件を満たせば誰でも還付金を受け取ることができます。

医療費控除を活用することで治療費を抑えられるので、忘れずに申告しておきましょう。

医療費控除を受けるには3つの条件を満たすことが必要

医療費控除を受けるためには一定の条件を満たす必要があります。

その条件について詳しく見ていきましょう。

① 納税者が、自分と、自分と生計を一にする配偶者やその他親族のために支払った医療費であること

医療費控除では、生計を一緒にしている家族の医療費を合算して申告することができます。

共働きであっても生計を一緒にしていれば合算して申告できますので収入の納税額の大きい人が申告するといいですね。

また、「生計を一緒にしているということは、離れて暮らす家族の医療費は合算できないのでは?」と思いがちです。

しかし、進学や単身赴任などの理由で離れて暮らしていたとしても、生活費を共有している家族であれば生計を一にしているとみなされるため、合算することが可能です。

遠方に住んでいる家族にも領収書を保管しておいてもらい、申告時に忘れずに合算しましょう。

② その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費であること

「1年間の医療費」と設定されていますが、この1年間という期間は、申告者が自由に決められるわけではありません。

その年の1月1日から12月31日までの1年間で支払った医療費の合算ということになります。

例えば、年末に治療を始めた場合、翌年以降に掛かる治療費は、その年の医療費控除の対象になりません。

医療費控除の仕組みを理解し、治療開始時期を検討するとより医療費控除を有効活用できますね。

③ 医療費控除の額は、支払った医療費から10万円と支給された保険料などを差し引いた額

1年間に支払った医療費の全額が控除の対象になるわけではありません。

医療費控除の対象になるのは、次の式で計算して求めた金額になります。

 

(実際に支払った医療費)-(保険などで支給された費用)-(10万円)

 

保険などで支給された費用というのは、生命保険や高額療養費制度で受け取った還付金や、出産育児一時金などのことです。

何らかの形で他に還付金を受け取っている場合は、その金額分は控除の対象外になります。

さらに、医療費控除を受けるには医療費が10万円を超えていなければ受けることができません。

そのため、この計算式ででた答えがマイナスになる場合には残念ながら医療費控除は受けられませんので注意してくださいね。

医療費控除は申告を忘れずに

上記の条件を満たしていても、申告をしなければ還付金を受け取ることはできません。

申告は確定申告によって行います。

サラリーマンの方は「会社が年末調整をしてくれるから確定申告をしなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。

確かに会社は年末調整で税金の計算をしてくれますが、医療費控除については自分自身で申告しなければなりません。

確定申告は毎年2月半ば~3月半ばに行うので、忘れずに申告しましょう。

まとめ

インプラント治療は条件を満たせば保険診療で治療を受けることができます。

しかし、あごや歯茎の骨が3分の1以上失われていたり、生まれつきの病気で歯がなかったりする場合でなければ保険適用されないため、なかなかハードルが高いというのが現状です。

とはいえ、医療費控除をうまく活用することで、インプラント治療の費用は抑えることができます。

これらの制度をよく理解し、ご自身に合った方法を検討してはいかがでしょうか。

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